直前になってバカリズムのマネージャーに何とか頼み込んで観させてもらった。
この時代に地上波でシチュエーションコメディをやるということで注目していたが、舞台版も素晴らしかった。
テレビシリーズから感じていたが、
作家のオークラ君を中心とした脚本のクオリティの高さは凄かった。
2時間半という長丁場の舞台、
一箇所も飽きさせない構成は見事としか言いようがない。
このウレロシリーズは、出演者の顔ぶれも揺るぎない。
芸人さんが出演する舞台というのは、
アドリブの応酬で結果的にそこが一番盛り上がったりするわけだが、
この舞台はそうではない。
もちろんアドリブはあったが、あくまでもほんの副産物に過ぎない。
まずはしっかりとした脚本ありき。
それで充分成り立っている。
アドリブが出たとしても、そこから本筋に戻す対応力。
セリフの間、受けの表情、誰かがウケている時の待ちの姿勢。
力のあるお笑いの人たちがやる舞台は、ほんとに素晴らしい!
中でもバカリズムはかなり昔から知ってるので、ここ最近の活躍は凄いのひと言。
前日に本人にも直接言ったが、ほんとにいい仕事をしていると思う。
デビュー当時から力はあったが、体のキレ、ボソリと言うセリフで大きな笑いが取れる技術。今まさに開花仕切っているという感じだ。
そういえば、劇団シャララの頃の入江くんも笑いのセンスが開花した頃、
セリフの言い方1つで笑いが起こる事を知ったと言っていたのを思い出す。
大きな声を出せば笑いが取れるというものでは決してない。
そう、その入江くんも出ていた。
だから余計に観てみたいと思ったのだ。
このメンバーの中で入江くんがどう見えるのか。
結果、何の違和感もなかった。
おそらく今日の舞台を観に来たお客さんは、もしかしたら入江くんの事を余り知らないかもしれない。
それでも、登場してひと言目ですぐに笑いが起こるのはさすがだ!
終わって劇場の裏でたばこを吸っていた入江くんに会った。
観ている途中、「笑いの殿堂」を思い出したと話したら、同じ事を感じていたようだ。
「笑いの殿堂」も舞台を3回ほどやった。
あれはホントに楽しかった。
あの楽しさを今の時代で感じているんだと思うと、羨ましかった。
そこに入江くんがいるのがなんだか不思議な感じだった。
高畑充希という女優さんも、
かなりコメディの才能がある人だ。
しかしほんとによく出来ていた。
自分もこれまで何度かチャレンジしてきてうまく出来なかったが、
これが日本人がやるシチュエーションコメディだと思う。
ちょっと気分が上がってきたので思いきって言うが、
コメディドラマなどと簡単に名乗らないで欲しい、というのを時々見かける。
そういえば開演時、
客席が暗くなると客席から自然に拍手が起こった。
お客さんの期待が大きいことがわかる。
自分もこれまで何度か経験した。
とても幸せな気分になる。創った人たちはきっとそう感じていたと思う。
せっかくの舞台、2日間だけというのはもったいない。
せめて一週間くらいやって、地方とかも回ればいいのに。
こういうのを観ると、面白ければ面白いほど悔しさも感じてしまう。
負けないような作品をこれからも創っていこう。
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