ニューヨーク滞在記 その3
3日目は、ノミネート者参加によるパネルディスカッション。
ホテルの一室で、まず、コメディ部門のノミネート作品をそれぞれ頭の15分ほど上映。時間が来ればキリが悪くても終了。サラリーマンNEOからは、「サラリーマン体操」「セクスィー部長」が流され、そこそこの笑いも取ったが、やはりイギリスの作品が抜群に笑いを取っていた。笑いの量では完全に負けていた。英語圏の有利さを肌で感じる。
その後、ディスカッションが始まる。それにしても、その質問の内容がすごい。「NEOは今年どうしてエミー賞を獲るべきだと思うか?」「なぜ、このようなコメディの形をとったのか?」そんな質問ばっかり。正直に言えば、「そんなこと考えたことねえよ!」が正解。しかし、世界ではそれが通用しない。気の利いた答えでもっとアピールして来いよ!と待っているのだ。NEOのディレクターY氏が他のノミネート者と並び、通訳を介して一つ一つの質問に丁寧に答えていく。ここでも通訳を介するのがもどかしく感じる。
夜は、人気のイタリア料理店でとりあえず前祝い。
そして次の日、エミー賞関連のセミナーが終わり、いよいよ授賞式。
昼間、少し時間が空いたので、お土産を買いに1人でニューヨークの街へ。
1人では地下鉄にも乗れないので、ひたすら歩く。というより、歩ける距離のところまでしか行かなかった。メトロポリタンや近代美術館のグッズショップへ。本体である美術館には一歩も入らなかった。
夕方、頼んでいたレンタルタキシードが届き、さっそく着替えてみる。
初めての事で少々手間取る。
時間になり、授賞式会場であるヒルトンホテルへ。
会場に着くと、入り口付近にものすごい数のカメラ、そして照明、野次馬たちの大歓声が聞こえてきていきなり雰囲気に飲まれる。結構本格的な盛り上がりを見せていて、誰か有名人が到着したところなのかと覗いてみると、騒いでいるのは、ちょうど向かいのホテルで同時間に行われていた映画のプレミア試写会だったようだ。そっちのレッドカーペットの方が盛り上がっていた。
隣り合わせでこんなでかいイベントをやるのもありなのか、さすがニューヨーク!
気を落ち着けエミー賞のレッドカーペットへ。距離は短いが、名前を呼ばれ一組ずつカメラの放列の前を通っていく。カメラマンたちから「こっちに目線をくれ!」と要求が来る。ちょっとしたセレブ気分。自然と誇らしげな笑みを浮かべてしまう。
式が始まる前、中央のステージで隙を見て写真を撮ってみる。
回りを見渡したが有名人らしき人物は見当たらず。
テーブルでフルコースのディナーを食べた後、主催者のマジメな話が終わると、ようやく授賞式が始まった。
司会の若手の俳優がオープニングジョーク。かなり受ける。
よく見ると、目線の先の大きめのモニターにカンペの文章が堂々と映し出されていた。
ああいうの見て、冷めないんだな。そういう文化なんだな。と、不思議に思う。きっと舞台裏では作家がガッツポーズを取っているに違いない。
式が始まり、雰囲気をある程度楽しんだ後、いい緊張の中発表の瞬間を迎えると思っていたが、コメディ部門はいきなり2番目。心の準備もないまま、発表が近づく。
まずはアカデミー賞でよく見るように、ノミネート作品が15秒ずつ流される。自分とこの作品が出ると、そのテーブルから歓声が上がったりする。ヒルトンホテルの大ホールのバカでかい3つのスクリーンに「セクスィー部長」が映し出される。一番笑いが大きかった気がする。
約2年前、自分が打ち合わせの席で口から出任せに言ったキャラが、まさか世界の舞台で披露されることになるとは…感慨深いことしきり。
だが、浸っているヒマもなくすぐに発表され、やはりイギリスの作品が受賞。
あっけない!余りにもあっけなかった。そして、非常に悔しい!
式が終わり外に出ると何と雨!涙雨か、という言葉しか出てこなかった。
雨のためタクシー待ちにものすごい列。仕方なく並ぶと、奇しくも授賞したイギリスのディレクターが並んでいた。「コングラチュレーション」と手を差しだす。とてもオタクっぽい暗そうな奴だったが、トロフィーを両手で抱え、やはりかなり嬉しそうだった。
いったんホテルに戻り着替えてから、近くの雰囲気のあるホテルのバーで残念会。
世界のファイナリストに選ばれただけでもすごいことだと慰められる。
それはそれでわかっているのだが、やはりここまで来たからには取りたかった。ホントに悔しい!
もっともっとおもしろいものを作って、来年こそは賞を獲ると、固く誓った夜だった。
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コメント
結果、残念でしたね…
番大きぃとか…



(´・ω・`)
でも、世界中の人達に、観て貰ってたり、
セクスィー部長で、笑ぃが
色々観光とか(笑)
収穫いっぱぃあって、
よかったですね〜
(^∀^ゞ
悔しさをバネに、
またこれからも、素晴らしく楽しぃ作品を、作って下さぃね
楽しみにしてます
投稿: もへあ☆ | 2008年11月30日 20時48分
お疲れ様でした。
受賞できなかったのは残念でしたけど、
セクスィー部長で笑いが取れたということ、
一番大きな笑いだったということ、
凄いことだと思います。
ぜひ来年も!ですね。
もっともっと素晴らしい作品を作って
見返してやりましょうね♪
これからも期待しています。
投稿: しゃい | 2008年12月 7日 01時19分