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2007年11月30日

打ち合わせ&打ち合わせ

一日中打ち合わせ三昧。合間に入江雅人くんが演出を手がけている舞台を観る。最近よく舞台に立っている水野美紀の軽妙な演技に目を見張る。きちんと笑いの間が演じられる貴重な女優さん。終わって入江くんと少し話す。自分が出ていないと全く違う緊張感があるという。なるほどそういうもんなんだあ。それにしても使われている音楽がいかにも入江くんぽかった。シャララを思い出す。
その後も、お台場行って、また赤坂に戻って打ち合わせが続く。今日のうち3つはコントの打ち合わせ。脳がとろけそうだ。帰り着くと午前3時。ヘトヘト。

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2007年11月29日

寒い!

今日は寒かった。11月も終わりなので当たり前なのだが、今年初めて『冬』を実感。
新宿のよさげなカフェを発見。軽く打ち合わせをしたあと、マセキの芸人養成スクールへ。参加者が減っているが、それでも根気よく顔を出して懸命にネタを作ろうとしている生徒たちもいる。中に一組、少しずつ力をつけてきている者もいてちょっと楽しみ。
夜11時から、年末に催されるウッチャンナンチャントークライブの打ち合わせ。どんなことを話してもらおうかといろいろと考えるが、いざ始まったら、最近のお互いの話で2時間終わってしまうんじゃないかとも思うが、とにかく今年の締めとして盛り上がるものにしたい。その前に、小粋なタイトルを考えなくちゃ。

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2007年11月26日

会食

座長お疲れさまということで、光良くん家とご飯を食べる。今年これで3回目。そして毎回同じ場所。お互いに結婚して奥さん同士の段取りで催される事が多い。先日の舞台の時は、親戚がいっぱい集まったし、最近やたら親戚づきあいが増えている。ま、悪いことではない。
焼き肉を食べながら、来年また新たな事をやろうと約束。その前に、年内にやらなきゃいけないこともある。まだ詳しくは書けないが、正月の特番でコントの番組をやります。

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2007年11月23日

世界に名を刻む

エミー賞の授賞式から帰ってきた「サラリーマンNEO」のディレクターに会った。受賞を逃したのは残念だったが、いろんな事が勉強になったと言っていた。まず、ディレクター氏は英語が出来ない。ヨーロッパの人も南米の人も英語でお互いの情報交換をやっていて、喋れないのは日本人くらいのもの。その会話の輪に入れずかなり悔しい思いをしたらしい。そして、パーティの嵐。NYに到着してから授賞式まで毎日のようにパーティが行われたらしい。そういう習慣のない日本人はやはり戸惑うばかり。世界の舞台に立つには、まだ日本人にはやらなければならないことがたくさんあるということだ。そういうことが結果にも反映されていたようだ。エミー賞の約6割がイギリスのBBCが受賞。この結果に会場はどこか白けたムードだったらしいが、BBCには、エミー賞を獲得するための特別プロジェクトチームが編成されているらしい。世界で賞を獲るには、それくらいの体制が必要だということだ。くわえて言葉の壁、英語圏以外の国には不利な状況は否めない。そんな中、件のディレクター氏は、会場の空気に圧倒され、すぐ近くでアル・ゴアやロバート・デニーロの姿を見て、ただただ浮かれていたらしい。そんな姿がここで見られます。
持ち帰ってきた記念品をいくつかせてもらった。ノミネートを証明する賞状、開いてみると確かに本物だ。そして、メダル。パンフレットの中にもちゃんと紹介されている!そして、よーく見ると、自分の名前を発見!ビックリ!すげえ!世界に名を轟かせてしまった!きっと、自分も行ってたらただ浮かれてただけだろうな。ダメだなあ…。もし次にこういう機会があれば、もう少し世界基準の目線で、世界と交流をはからなきゃいけないんだろうな。そうしないと、日本の番組は賞を獲れないように思う。最終候補の5本に残ってもう少しと思ったが、まだまだお笑い文化の世界との壁は高いようだ。

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2007年11月22日

「サラリーマンNEO」アンコールスペシャル!

明日11月23日、勤労感謝の日だからというわけではありませんが、「サラリーマンNEO」シーズン2の全放送が、NHKBSハイジジョンで再放送されます。朝8時くらいから一日やってみるみたいです。新しく撮り足したものと、最後にはレギュラー放送で入りきれなかった未公開の蔵出しもあります。見られる環境の方は、明日は、ぜひ一日中「サラリーマンNEO」を堪能してください。

今日、深夜の某局で打ち合わせをしてたら、少し離れた席で一人作業をしていた人が、いきなり大声を出した。キレているのが傍目にもわかる。様子を窺っていると、どうやらずっと続けていた作業が間違ってたことに気づいて、今までの時間がすべてムダになった事に怒ってるようだ。誰かにではなく自分自身に怒ってるのだ。それにしてもずーっと怒っている。いつまで経っても怒りが収まらない様子。机を蹴ったり、ゴミを投げつけたり、ブツブツ言ったり…。恐くて近づけそうにない雰囲気。よくも自分に対する怒りであそこまでキレられるもんだと半ば感心してしまうくらい。気になって打ち合わせどころではなくなり、横目で様子を窺う。頭を冷やそうと席を離れ、しばらくして戻って作業をやり直そうとするが、やはりまだ怒りが収まらない。と、また出て行くという繰り返しをかれこれ一時間以上続けていた。途中ケータイが鳴ると「誰だよ!」と怒鳴りながら出るが、電話で話すと優しい口調に変わった。余計恐くなる。その後も、感情の持って行き方がわからず、中指を立てて「ファックユー」ポーズをしたりしていた。相当重傷だ。声をかけると刺されかねない雰囲気だったので、そっとしておく。打ち合わせが終わって帰ってきたが、いつまで怒っていたんだろう。その時間に作業のやり直しに取りかかった方がいいのに。まったくわからん。

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2007年11月18日

「ハンブン東京」千秋楽

Photo_2 今日で千秋楽。稽古初日からおよそ一ヶ月、ほんとにあっという間。で、最後も2回公演。午後1時、昼の部開演。客席の明かりが消え場内が暗くなると自然と拍手が起こった。こんな事は滅多にない。お客さんの期待感を実感。初日ほどではないにしろ、なんとかその期待感に負けない出来だった。終演後いつものように楽屋に関係者がどっと押しかけ、それが落ち着いたと思ったら、すでに次の開演1時間前。ロビー前にはすでに次のお客さんが。舞台裏も慌ただしく準備にかかる。最後の回というのはいつもどこかお祭り気分になる。演者のノリもそんな雰囲気。随所にアドリブ満載で無事終了。カーテンコールでは、舞台が初めてだった女優陣が早くも涙。初々しい光景。
すべてが終わり、楽しみな打ち上げへ。場所は近所の「和民」。稽古半ばの親睦会も「和民」だった。セリフの中にも「和民」がたびたび登場。妙に和民に縁があった。他の一般客もいるのに構わず「かんぱ〜い!」の大絶叫!一般客側だったらものすごいイヤな集団に見えるんだけど、関係なし!なんたって打ち上げだから。そんな調子で延べ6時間余り、盛り上がったりしんみりしたりのひとときだった。「また、やりたいですね」そんな声があちこちで聞かれた。

稽古が始まって約一ヶ月。豪華なメンバーの仲間に加えてもらいほんとに光栄だった。稽古場に行くのが楽しみな座組みはそうあるもんじゃない。お笑いチームは、笑いのネタに心血を注ぎ、役者チームは、役に自分の感情をどう乗せるかを真剣に議論する。2つの要素がほんとにうまく融合できたと思う。業界関係者には、コントに毛の生えた程度の内容だとタカをくくってた人が多かったようだ。観劇後、みな一様に驚いたような感想だった。初日が終わってさまぁ〜ずの大竹くんともその話になり、してやったりとうなずき合った。
今回の公演、みなそれぞれ素晴らしかったが、中でも近内仁子さんの存在は圧倒的だった。15年以上舞台で活躍している大ベテラン。経験に裏打ちされたその演技には感嘆する事ばかり。他の人たちが、毎回微妙に調子が変わるのに対して、彼女だけがただ1人、一度もぶれることなく、毎回同じ位置に立ち、同じタイミングでセリフを喋るという事を平気でやってのけていた。驚くのは、芸人相手のアドリブ芝居に対しての柔軟な対応を見せたこと。休憩時間にも練習に余念がない。夜の公演までの間、客席で寝ていたら誰かがセリフを喋る声で目が覚めた。見ると近内さんが客席を歩きながら自分のセリフを反復していた。そして練習が終わると、松坂大輔がグランドを出るときにそうするように、舞台から客席に向かって一礼して去っていった。これがプロフェッショナルだ。彼女も、お笑いの人たちとの芝居は今までにないものでほんとに楽しかったと言ってくれた。彼女がいなかったらここまで締まったものにならなかったと思う。それから、バナナマンの日村くんがノドを潰したときも、「必ず声の出る音域というのがあるから、そこを探すことです」とアドバイスを受けたという。すげえ。そんなの初めて知った。
ほんとに楽しかった一ヶ月。演劇と笑いが微妙なバランスで成り立った形式、これはちょっと新しいんじゃないかと思った。こういうやり方を、勝手に「ハンブン方式」と呼びたいと思う。今後、業界用語として、そう使われることを期待する。
2日目にカメラが入り収録が行われた。まだ正式に決まったわけではないが、おそらくDVDとして残るんじゃないかと思う。
観に来ていただいた方々、ほんとにありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。

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2007年11月17日

「ハンブン東京」2日目

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2日目、やはり昨日の成功にどこか満足している雰囲気が漂う。「2日目の昼公演はダレる」という舞台の定説がある。初日は演じる方も観る方も緊張感があり比較的いい出来になる。だが、2日目の昼はなぜだか全体の空気が重くなる。何度やっても不思議だ。今日の昼公演も始まる前からそんな感じだった。うまく説明出来ないが、客席の雰囲気もほんとに昨日とは違う。そこが舞台の難しさでありおもしろさでもある。連日の稽古疲れがここに来てドッと出たのか、いろんなハプニングがあった。出演者の一人が靴を忘れるというスゴいことが起こった。座長が機転を利かせて何とか取り繕ったが、夜の回では、その座長が役名を間違えるというよもやの展開。いやあ、笑いの部分がある内容でよかった。そういったミスも笑いに転化して何とか帳消しに出来る。シリアスな芝居の場合、こう言うときどうするんだろう。
今日は、九州から大阪から内村家の親戚がこの舞台を観に来て久々に集まった。昨日の出来じゃなくて申し訳なく思ったが、観てくれた者たちは充分楽しんでくれたようだ。よかった。
さて、明日は早くも千秋楽。その後打ち上げ。ほんとあっという間。

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2007年11月16日

「ハンブン東京」初日

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ついに初日を迎えた。劇場に到着するとまずロビーがで埋め尽くされている事に驚く。全部の花代で一体いくらになるんだろう。よく見るとこんな人からも届いてた。そしてこんな形の花も。そして、今日のカーテンコールで話題になったこの人からの芸風通りの花。自分を祝福するとは…。楽屋に行くと、全員お揃いのTシャツをいただく。チームの一員だという実感が沸く。
3時過ぎ「いいとも」終わりでさまぁ〜ずが到着、気になっている箇所をもう一度確認しながら最後の稽古。すべてを確認したところで全スタッフの意志を統一し本番への準備にかかる。客入れが始まり楽屋のモニターに客席の様子が映し出されるのを見て、急に緊張感が高まる。笑いのための細かなネタを本番開始15分前までみんなで真剣に考えていた。さまぁ〜ずやバナナマンが真剣にネタを考える、なかなかネタが決まらなくて焦っているのだが、反面、その貴重な空間に自分も一緒にいれることが何とも嬉しい!本番開始5分前、出演者が舞台への上がり口に集合し円陣を組み初日ならではの儀式。そして、予定の午後7時を5分ほど遅れて、ついに幕が上がった。2時間10分、終わってみれば申し分のない出来!本番に強いとは思っていたが、これほどのいい出来になるとは正直思っていなかった。改めてそのテンションの持って行き方に頭が下がった。終演後、楽屋に関係者が続々と押しかけてくる。舞台ならではの光景だ。男性チームが同じ楽屋のためごった返す。ちなみに楽屋にはこんな物が飾られてます。ふだん見れない有名人の顔ぶれもあった。ポーカーフェイスを気取っているが、内心ドキドキ。見とれてしまいます…。
お客さんが帰ったところでロビーで初日の乾杯。みんな満足げな顔。そして、観に来た関係者からの気持ち悪いくらいのベタ褒めぶり。ついつい調子に乗りそうになる。
その後、興奮冷めやらぬ感じで出演者と共に焼き肉屋へ。今日の成功を祝う。そして、明日からの気の緩みを全員で戒めつつ解散。明日、明後日は昼夜2回公演、すべて成功することを祈る!

先日ここで書いた、年末の楽しいイベント「ウッチャンナンチャントークライブ」をやります。どんな内容にするか、少しずつ考え始める。こちらも乞うご期待!


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2007年11月15日

「ハンブン東京」ゲネプロ

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午後から昨日の続き、1幕ずつ丁寧に細かなリハーサルを執拗に繰り返していく。本番前の重要な作業。これを怠ると公演自体がボロボロになる。3時半にようやく三村くんが到着し、久々に全員揃う。すぐに三村がらみの場面の稽古。あっという間に時間になる。
午後7時、明日の本番と同じ時間にゲネプロ開始。各事務所の後輩や関係者、約100人が客席を埋める。関係者は得てして笑わないものだが、大竹、日村のテクニックに大きな笑いに包まれる。大きなミスもなく何とか無事終了。終わって軽く反省点を出し合い明日に向けて解散。日村くんは、本番でもないのに100点を出してしまったとひとり落ち込んでいた。さあ、いよいよ明日は初日。客席をお客さんが埋めて本番が始まる。

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2007年11月14日

「ハンブン東京」稽古7

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昨日から劇場入りして、実際に舞台を使っての稽古が行われている。午後から3つの打ち合わせを経て、劇場に着いたのは8時過ぎ。サンシャイン劇場は何度か観に来たことあるが、やる側になるととてつもなくでかく感じる。2階席にも上がってみたが、ものすごい角度で舞台をほぼ真下に見る感じ。一階の前の方の席で見るのとではまるで違う印象を受けそうだ。
今日は一日、照明や音楽のキッカケを確認しながら転換の稽古が行われていたようだ。それにしても、まだ出演者が全員揃ってない。代役での稽古が続く。現場に入っての問題点も見えてくる。いよいよ明日は関係者を何人かお客さんとして入れての本番さながらの通し稽古(通称ゲネプロ)。ドキドキしてきた。
071113_210202楽屋口を入ってすぐのところに舞台ならではのものがあった。自分の名札もちゃんと用意されていた。劇場入りした人は、黒文字に。出て行くときはひっくり返して赤文字に。こんなのは初めて。
それにしても、今回はほんとに公演数が少なすぎてチケットが足りない。関係者を招待する事もままならない。


そういえば、年末、久々に2ショットでの楽しいイベントが行われることが決定!詳細は、ハンブン東京の会場で明かされます。

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2007年11月11日

「ハンブン東京」稽古6

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今日でほぼ一ヶ月毎日のように通っていた稽古場も最後の日。夜9時過ぎから揃ってる分の衣装もつけて通し稽古。本番でのイメージが少しずつ出来つつあるが、まだまだ修正点はある。それでも、全員の意思統一はさらに強くなってきた。先日の稽古終わりでも夜中の3時近くまでみんなで酒を飲みながら、芝居を成功させるための気持ちを高めていった。明日からは、稽古場を移し本格的な舞台装置を使っての稽古が始まる予定。ここから最後の仕上げの作業に入る。

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2007年11月 8日

「ハンブン東京」稽古5

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いよいよ本番まで一週間となった。カウントダウンが始まる。そして、全員が揃うのがあと2,3回しかないという事実が判明。各自に緊張感が走る。今日は、その数少ない全員集合日。細かい部分の手直しをしたあと、午後10時半から通し稽古。日にちが迫ってくるにつれ、稽古場には衣装さん、舞台美術、舞台監督などどんどん人が増えてくる。道具も実際に使われる物がどんどん持ち込まれ、音楽も出来上がってきた。大勢が見守る中、役者陣も気持ちがさらに入ってくる。お笑いチームと役者チーム、それぞれがここに来て今までと違った持ち味をギュッと出し始める。才能ある人たちの仕事ぶりを目の当たりにするのは本当に勉強になる。あの集中力は凄まじい。出来るなら、稽古場に何人かを招待して見せてあげたいくらい。5百円くらいの入場料取っても充分見せられるんじゃないだろうか。休憩時間、タバコを吸う人たちが一斉に外に出て固まって煙を吐いてる姿も含めて、いろいろと楽しい場面が満載です。

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2007年11月 2日

帰京

お昼前、高速バスに乗り慌ただしく鹿児島空港へ。フライトまで1時間以上時間が空く。おみやげを買ってもまだ時間があったので、疲れてもなかったがまたマッサージを受けることにした。しかし、揉み手の違いなのか体が弱っていなかったのか、おとといほどの快感は得られなかった。
午後3時過ぎ、無事羽田に到着。東京の肌寒さに驚く。九州ではTシャツの人もいたのに。機内で、途中ペコッという音が傍らでしたので見てみると、持ち込んだペットボトルがこんな感じ になっていた。新しいペットボトルの形か。
家について荷物を解き6時に予約を入れておいた歯医者へ。だが、ことのほか待たされ時間がなかったのでやむなくキャンセル。そこから、「ハンブン東京」の稽古場へ向かう。久しぶりの稽古場。さまぁ〜ずが到着したところで荒い通し稽古。さらに固まってきているが、まだまだ問題点も浮き彫りに。いよいよあと2週間。ここから最終的に煮詰めていく作業が始まる。一日が長く感じた。

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2007年11月 1日

人吉西小開校記念日

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朝7時起床。いよいよ講演の日。いつもと同じようにと思いながらも、いささかの緊張のためか行動がおぼつかない。両親も緊張であまり寝れなかったという。やる前にそういうこと言うなよ、と思う。一張羅のグッチのスーツに身を包み、両親を伴って小学校へと向かう。山の頂上に位置する我が母校。6年間毎日歩いて登っていた長い坂道を35年ぶりに一気に車で登る。着いてみてびっくり、校舎は新しくなり当時の面影はまるでない。見慣れない校舎を口を開けて見上げていると、前方にはなんと先生が立っていて車を駐車場へと誘導してくれた。降りて挨拶をするとなんと教頭先生だった。恐縮しながら玄関へ向かう。すると、奥から満面の笑みで両手を広げ小走りに近づいてくる人の姿が。差し込んだ眩しい朝日の中から、やがてその人の輪郭が克明に見えてきた。校長先生だった。危うくハグされるんじゃないかと言わんばかりの興奮ぶり。益々恐縮してしまう。すぐに校長室に通されお茶などが出されると、教育委員会やPTA関係の人が次々と来られ、その度に立ちあがっては名刺交換と、少しも落ち着かない。講演まで時間があったので、一番興奮していた校長先生がいても立ってもいられず、教室の生徒を見てやってくださいと、考える間もなく教室へ案内される。授業中の教室に申し訳なく思いながらも、おじゃまさせてもらった。子どもたちが好奇の目でチラチラと見ている。子どもたちの顔を見たことで余計に緊張の度合いが高まってしまった。

そうこうしているうちに、9時40分体育館に全員が集合。校長の挨拶の後、紹介され壇上へ。生徒約400人、父兄100人以上が一斉に自分に注目している。もちろんこんな経験は初めてだ。
平常心を装い、出来るだけ子どもたちの顔を見るようにして喋り始める。出だし、予定していたつかみが見事にスベる。焦って、二の矢三の矢を打ってみるが、大人たちには届き始めるものも、生徒たちはまるで反応なし。自分の小学校時代のエピソードを繰り出すも、早くもざわつき始めているのがわかる。心は焦るばかり。視界の隅っこには、一言一句メモを取ろうとする校長先生の姿がちらつく。もはや、あれを出すしかあるまい。この講演のために、あらかじめ用意していた2つの武器のうち1つを披露することに。今回は、自分がやってる放送作家の仕事について話したわけだが、コントというものをわかりやすく説明するために、“桃太郎”を題材にしたパロディ「コント桃太郎」というのを書いてきていたので、まずそれを予定通り読み上げた。すると、驚くべき現象が!最初のギャグで、生徒たちが一斉に笑ったのだ!気をよくして続けると、狙ったところでほぼ間違いなく爆笑!これがウケると言うことか!全身で喜びを感じながら読み進める。途中、きびだんごが赤福餅に代わるという父兄や先生向けの時事ネタなども織り込み、最後まで笑い声の中、「幸せに暮らしたとさ」で締めくくる。自然に拍手が起こった。ここで気持ちよく終わらせ退場したいとさえ思ったが、まだ20分ばかり時間があった。その後は、子どもたちに向けた想像力の大切さなど最もらしい話をしたが、生徒たちの食いつきはさっきまでとは違っていた。そして残り10分となったところで、2つ目の武器をとどめに出す。実は、今やっている仕事の具体的な様子を紹介しようと、「ハンブン東京」の稽古風景を自分でカメラを回し撮ってまとめていたVTRを流した。さまぁ〜ずやバナナマンの姿に、さらに生徒たちの目は釘付けになる。そしてVTRの締めは、ウッチャンからのメッセージ。本人に頼んだら快諾してくれた。もちろんノーギャラ。約7分間、どこにも披露されることのない、まさに秘蔵VTR。これでほんとにテレビ業界で仕事をしているんだと信用してくれたんじゃないかと思う。よかったよかった。最後に生徒代表からお礼の言葉をもらう。貴重な瞬間を写真にも収める。終わって校長室へ戻ると、ドッと疲れが出た。校長先生はリアクションに困るほど大絶賛してくれた。Img_0136


夜、帰省時の恒例になっているように同級生たちと会う。そこに、校長先生と教頭先生、「あと2日」のプリントを作ってくれた先生も同席していただいた。またもや校長の褒め殺しに合う。2時間ほど話して、先生たちに別れを告げ、その後は同級生だけで次の店へ。「島んちゅぬ宝」を歌い大いに盛り上がる。今回、間に入ってめんどくさい仕事をやってくれたのも同級生の一人だ。いろんな人に支えられてここまで来たことを改めて実感する。故郷にほんの少しは恩返しできたのではと思う。今後も、人吉のために何か出来ることがあればやっていきたい。
今回招いてくださった人吉西小の校長先生を始め諸先生方、自分の事を推してくれた190㎝の長身先生、父兄の皆様、100点のお客さんだった生徒諸君、ほんとにありがとうございました。滅多に味わうことの出来ない素晴らしい経験をさせていただきました。この場を借りて感謝いたします。人吉市立西小学校、バンザイ!

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